耐震性偽装、倒壊の恐れ新たに5棟…全棟の強度公表へ
首都圏のマンションなど計21棟の耐震性が偽装されていた問題で、新たに東京都港区や新宿区などのマンション5棟の強度が不足し、震度5強の地震で倒壊する恐れがあることが20日、国土交通省などの調査でわかった。
強度不足と判明したマンションは、すでに発表されている千葉県船橋市と川崎市の2棟と合わせ、計7棟となった。同省は21日にも、全棟に関する強度の再計算結果を公表する方針で、強度不足の建物はさらに増える可能性が高い。
国交省の調べで強度不足が新たに判明したのは、いずれも船橋市内にある建設中のマンション3棟。このうち、「グランドステージ船橋海神(かいじん)」は、 建物自体と家具や住民などの重量にも耐えられない構造。地震などで外部の力が加わらなくても倒壊する恐れがあり、「基礎的な計算をしただけで、強度不足が 分かった」(国交省関係者)という。
また、他の2棟の「セントレジアス船橋」と「湊町2丁目中央ビル」は、いずれも一部の階の強度が規定の約4割しかなく、震度5強の地震で倒壊する恐れがある。
3棟のうち「船橋海神」はすでに分譲が始まっており、一部は販売済みだという。
また、強度偽装マンション4棟の建築主だった中堅不動産会社「シノケン」(本社・福岡市)は20日、独自に調査した結果として、東京都新宿区と港区の計2 棟について「震度5強程度の地震で崩壊する恐れがある」と発表した。2棟は同社が販売した後に転売された投資型マンションで、新宿区の1棟は「スカイコー ト西早稲田」。
同社は、問題の4棟で、建築主のほか、元請け設計者、施工者としても登録されており、残る2棟についても内部調査が終わり次第、結果を発表するという。
一方、19日までの国交省などの調べで「自壊の恐れがある」とされた2棟のマンションのうち、川崎市の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」につい ては、国交省が20日再計算したところ、自壊を起こす「長期応力度」はかろうじて建築基準法で定める範囲内に収まっていたことが確認された。
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