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Wednesday, November 23, 2005

サントリーを抜け!青島ビール上海攻勢

ビールの中国最大手、青島ビールが上海市場でのシェア拡大に本腰を入れ始めている。華北地区を中心に強さを誇る青島ビールだが、上海は進出数十年でもブラ ンドの存在感を発揮できない難攻不落の市場。近年はサントリーが販路の地道な掘り起こしで急成長し、今やトップシェアを掌握する「三得利(サントリー) 城」となっている。業界の王者が“新興”のサントリーをどこまで追い上げられるか、上海だけでなく全国の注目を集めている。

 21日付東方早報によると、青島ビールはこのほど上海で、事業統括子会社と販売会社を合併し「上海青島ビール華東営銷有限公司」を新設した。昨年、上海工場で生産拡大したのに続く展開で、新会社を核に上海での販拡に力を入れる方針だ。

 青島ビールは上海で、1998年に非地場ブランドでは首位シェアを獲得したこともあるが、ここ数年は日系を中心とする外資に押されている。青島ビールの李桂栄・董事長は「業界トップであることが我が社の使命」と話し、主要市場である上海攻略に力を入れる構えだ。

 ■シェア70%の浸透も

  上海市醸酒専業協会の統計によると、上海のビール消費量は昨年81万キロリットルに上った。2,910万キロリットルの全国消費に占める割合はわずかだ が、市民1人当たりの年間消費量は47リットルと全国平均の2倍強。またソフトドリンクを含む飲料消費全体の76%がビールという業界のデータもある。全 国でも目立ってビール志向が強い上海は、購買力の急速な伸びもあって将来性も十分。メーカーにとっては見過ごせないパイだ。

 そんな上海 市場にあって、圧倒的な強さを誇るのがサントリーだ。昨年は上海を中心にした華東地域全体で101万9,800キロリットルを販売した。上海市場の大部分 を占める中価格帯商品(2.5元前後)では実にシェア70%を獲得するなど、上海市場では堂々の1位メーカーだ。

 青島だけでなく、地場の力波(リーブ)、外資のアサヒ、キリン、バドワイザーなど無数のメーカーが競う乱戦市場で、1984年進出と決して歴史の長くないサントリーが群を抜いているのは、全国でも注目の事実だ。

  サントリーは小規模な商店・売店、レストランを販路にしてきた。営業マンがローラー作戦的に販売店を訪ね、安価な瓶ビールを売り込んだ。味もローカル消費 者が好む軽い薄味。外資の多くが大型スーパーマーケットに高価格商品を投入したのとは好対照だ。この戦略で、サントリーは90年代半ばから上位を占め続 け、消費者の間では「三得利は上海のブランドだ」といわれるほどの浸透ぶりだ。アサヒとキリンの2強に離され業界4位の日本に比べ、上海でのブランドの存 在感は際立っている。

 ■カギは業界再編

  販売量でも浸透度でも力強いサントリーを切り崩すのは、青島にとっても容易でないのは確実だ。今後、攻防のカギとなるのがM&A(企業の合併・買収)。生 産、物流のコストが高い上海では、地場の零細を吸収し成長することが可能だ。青島は全国戦略に乗り出した96年以降、買収を重ねて発展しており、97年か らの5年間に限っても17省の48社を傘下に収めた。上海でも老舗・上海ビール厰などを買収しており、新会社発足後はM&Aを加速させるとみられる。

  一方サントリーも今年初め、低価格帯を主力とする地場大手「上海東海ビール」を買収。自社では今秋、単価5.7~14元の高価格品も投入しており、全価格 帯を抑える構えだ。またこれまで主力販路でなかった大型スーパーなども、昨年の売上高が全体の2割を占めており、今後新販路向けの販拡戦略も重要になる。 中国市場で“トップ”と呼ばれる日系ブランドが少ない中、サントリーがどこまで牙城・上海を守れるか。今後の展開が注目だ。

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